Dr.Isoganakyaのハッピーライフ

幸せに暮らすために役立つかもしれない、医学・経済・趣味・生活に関する情報をつぶやきます。

正しい情報収集の重要性ー癌の治療法を通して

皆様は通勤時間どのように過ごしているでしょうか?

私は最近は、もっぱらyoutubeを聞き流しながら通勤しています。

今日聞いた話で、正しい情報の重要性について少し話したいと思います。

 

 インターネットや書籍は非常に有効なツールで様々な情報が飛び交っています。しかし、正しい情報は意外な程に少なく、発信者は特に自己の利益が関連する場合に、恐ろしく偏った正しくない情報を発信しています。

 今日聞いた話は癌の治療法に関するものでした。癌の治療法については、人々の抗がん剤に対する恐怖イメージから、民間で代替療法なるものが多く見受けられます。我々医療者が提供する抗がん剤を含めた"標準治療"を、漠然とした恐怖心から回避し、そうした「標準治療はだめだ。飲むだけで効く。有効性が極めて高かった。」といった甘い文句を謳った代替療法に走る患者さんが予想以上に多くいるということです。そして、現在の科学的知見からみて正しい情報を掲載しているものは、書籍・インターネット合わせて3割に満たない(正確な数値は失念しました)とのことでした。そして、アメリカでホスピス(余命6ヶ月未満の末期の患者が入院する施設)に入院している癌患者の半数程度がそうした代替療法を行っていたというデータがあります。そうした患者さんは意外なほどに高学歴で、高収入であったということです。

 これはいかに正しい情報にアクセスすることが難しいかを示しています。その理由の一つとしては、正しい医療を提供している善意ある(?)医療者が情報発信に積極的でなく(する必要あるいは暇がない)、一方で利益を得たいと考えている人が積極的な宣伝をする必要があるということと考えられます。

 私は癌の専門家ではありませんが、"標準治療"というのはこれまでの膨大な研究の結果、有効性が示される唯一の治療法ということはわかります。その他多くの治療法は研究の結果、有効性がないことが示され淘汰され標準治療となっていないのです。

 

 人は信じたいものを信じる生き物だと思います。これは医療に関わらず全てのことに当てはまると思います。お金が稼げるといった情報、失敗しないという情報。それらは概ね偏った意見であり、そのような甘い話はほぼないと思います。本当にそんないい話があるならまず独り占めすると思います。何事においても、現実は厳しいことが多いことを受け入れ、自分で後悔のないように責任をもって判断することが大事だと思います。自分の運命は自分でコントロールするという意志が情報過多の時代に非常に重要だと思いました。